被介護者の皮膚を守る
被介護者の皮膚を守るためには、まずIAD(衣類関連活動障害)について理解することが重要です。IADとは、衣服の着脱、ボタンの留め外し、靴ひもの結び方など、日常生活において衣服を扱う動作が困難となる状態のことです。IADは、脳卒中や認知症などの神経疾患、関節炎や変形性関節症などの整形外科疾患、筋ジストロフィーやALSなどの神経筋疾患など、さまざまな原因で起こり得ます。
IADによって衣服の着脱が困難になると、皮膚に負担がかかり、褥瘡(床ずれ)や皮膚炎などの皮膚トラブルを起こしやすくなります。褥瘡は、皮膚が長時間圧迫されることで組織が壊死する状態であり、痛みを伴い、感染症を引き起こすこともあります。皮膚炎は、皮膚が乾燥したり、刺激を受けたりすることで炎症を起こした状態であり、かゆみやかさつきを伴うことがあります。
IADのある被介護者の皮膚を守るためには、以下のようなことに注意することが大切です。
* 衣服の着脱を介助する
* 衣服はゆったりとしたものを選ぶ
* 肌に優しい素材の衣服を選ぶ
* 入浴を毎日行う
* 皮膚を清潔に保つ
* 保湿剤を使用する
これらのことに注意することで、IADのある被介護者の皮膚トラブルを予防し、健康な皮膚を維持することができます。