補足性の原理とは？介護保険と生活保護の関係
介護の初心者
介護制度に補足性の原理があるのはなぜですか?
介護スペシャリスト
補足性の原理とは、生活困窮者があらゆるものを最大限利用しても不足する分を補うことです。生活保護の原理の1つであり、介護保険の介護給付もこの考えに基づいています。そのため、生活保護の介護扶助を受けずとも介護保険の介護給付で補うことができる場合は、介護給付が優先されることとなります。
介護の初心者
生活保護の介護扶助と介護保険の介護給付の違いは何ですか?
介護スペシャリスト
生活保護の介護扶助は、生活困窮者に対して支給される介護サービス費用の補助金です。一方、介護保険の介護給付は、介護が必要な高齢者に対して支給される介護サービス費用の補助金です。両制度の違いは、支給対象者と支給額にあります。
補足性の原理とは。
補足性の原理とは、生活困窮者が公的な支援などを最大限利用しても、生活が困窮している分を補うこと。生活保護の原理の1つである。この考え方に基づき、介護保険の介護給付で介護サービスを利用できる場合は、生活保護の介護扶助は優先されないこととなる。
補足性の原理とは
生活保護法では、生活において困窮した人が生活を営んでいくために、生活の保障と自立の促進を図ることが規定されています。生活保護法第10条で原則が規定されており、原則として生活保護は最後のセーフティネットとしての役割を果たすべきことが、「補足性の原理」として定められています。
「補足性の原理」とは、社会保障制度は、国民が相互扶助の精神に基づいて協力し、国民共通の生活の安定と福祉の向上を図ることを目的として、社会保険制度、社会福祉制度その他社会保障制度を総合的に整備し、社会保障給付が重畳することなく、社会保険制度、社会福祉制度等の利用可能性を十分考慮して、社会保障給付を行うべきであるとする原則をいいます。
介護保険と生活保護の関係
介護保険と生活保護は、どちらも高齢者や障害者を対象とした社会保障制度ですが、それぞれ役割が異なり、その関係も複雑です。介護保険は、高齢者や障害者が自立した生活を送るために必要な介護サービスを提供するための制度で、介護保険料を支払えば、介護サービスを利用することができます。介護保険料は、本人や家族の所得に応じて算定され、原則として本人が負担することになっていますが、生活保護受給者は、介護保険料を免除されます。
生活保護は、生活に困窮している人に対して、最低限度の生活を保障するための制度で、生活保護費を支給されます。生活保護費は、本人の収入や資産に応じて算定され、生活保護受給者は、介護保険料を免除されますが、介護サービスを利用するためには、生活保護費の中から介護保険料を支払う必要があります。介護保険料は、本人の収入や資産に応じて算定され、原則として本人が負担することになっていますが、生活保護受給者は、介護保険料を免除されます。
介護給付と介護扶助の違い
介護保険と生活保護は、どちらも介護を必要とする人の生活を支援する制度です。しかし、両制度にはそれぞれ特徴があり、介護給付と介護扶助というように、支援の内容も異なります。
介護保険とは、40歳以上を対象とした公的介護保険制度です。介護が必要になった場合、介護サービスを利用するための費用を、保険料から賄うことができます。介護保険の給付には、自宅で介護を受けるための訪問介護や通所介護、施設に入所して介護を受けるための施設入所介護などがあります。
一方、生活保護とは、生活に困窮している人を対象とした公的扶助制度です。介護が必要になった場合、介護サービスを利用するための費用を、生活保護費から賄うことができます。生活保護の扶助には、自宅で介護を受けるための在宅介護扶助、施設に入所して介護を受けるための施設入所介護扶助などがあります。
介護給付と介護扶助の大きな違いは、利用できる対象者が異なることです。介護保険は40歳以上を対象としているため、65歳未満の人が介護が必要になった場合でも、介護給付を利用することができます。一方、生活保護は生活に困窮している人を対象としているため、65歳以上の人が介護が必要になった場合でも、生活保護費から介護サービスを利用するための費用を賄うことはできません。
どちらが優先されるか
介護保険と生活保護は、どちらも高齢者や障害者などの弱者への支援を目的とした制度ですが、それぞれに異なる役割を果たしています。介護保険は、要介護認定を受けた人が介護サービスを利用するための費用の一部を負担する制度であり、生活保護は、生活に困窮している人が最低限度の生活を送るために必要な費用のすべてを支給する制度です。
どちらか一方の制度を利用できる場合は、その制度を利用するのが一般的です。しかし、両方の制度を利用できる場合もあるでしょう。その場合、どちらが優先されるかは、ケースバイケースで判断されます。
介護保険法と生活保護法のどちらを優先するかについては、いくつかの考え方があります。一つの考え方は、介護保険はあくまでも生活保護を補完する制度であり、生活保護が優先されると考える考え方です。この考え方では、生活保護を受給している人が介護サービスを利用する場合は、介護保険の給付額を生活保護費から差し引いて支給することになります。
もう一つの考え方は、介護保険と生活保護はそれぞれ独立した制度であり、どちらを優先するかについては、個々のケースの状況に応じて判断すべきだと考える考え方です。この考え方では、生活保護を受給している人が介護サービスを利用する場合は、介護保険の給付額と生活保護費を両方支給することになります。
どちらの考え方をとるかは、行政機関によって異なります。そのため、介護保険と生活保護の両方を受給できる可能性がある場合は、事前にどちらが優先されるかについて、行政機関に問い合わせておくことが大切です。
必要な手続き
必要な手続き
介護保険と生活保護の両方を申請する場合、それぞれに申請手続きが必要です。介護保険の申請は、申請者の属する市町村の窓口で行い、生活保護の申請は、申請者の住所を管轄する福祉事務所で行います。
介護保険の申請には、申請書、健康保険証、本人確認書類、所得証明書、介護保険証などの書類が必要です。生活保護の申請には、申請書、本人確認書類、収入証明書、資産証明書などの書類が必要です。
申請手続きが完了すると、それぞれ審査が行われます。介護保険の審査には、約1ヶ月、生活保護の審査には、約2ヶ月かかります。審査の結果、介護保険の受給が認められれば、介護保険証が発行されます。生活保護の受給が認められれば、保護費が支払われます。
介護保険と生活保護の両方を申請する場合、それぞれの申請手続きが必要です。申請には、それぞれに必要な書類を揃えて提出する必要があります。審査の結果、受給が認められれば、介護保険証が発行され、保護費が支払われます。