被介護者の健康維持 – 甲状腺について

被介護者の健康維持 – 甲状腺について

甲状腺とは

甲状腺とは、首の前面にある小さな器官で、体内でホルモンを生成して分泌しています。このホルモンは、新陳代謝を調節したり、成長や発達を促進したりするなど、体のさまざまな機能に影響を与えています。甲状腺機能が低下すると、新陳代謝が低下して疲労感や体重増加、むくみなどの症状が現れます。また、甲状腺機能が亢進すると、新陳代謝が亢進して動悸や発汗、体重減少などの症状が現れます。甲状腺機能異常は、女性に多くみられますが、男性もなることがあります。

また、甲状腺には、甲状腺ホルモンが作られる濾胞細胞と、カルシトニンが作られる傍濾胞細胞の2種類の細胞があります。

濾胞細胞は、甲状腺ホルモンであるチロキシン（T4）とトリヨードチロニン（T3）を合成、分泌しています。チロキシンは、体の代謝を調節する働きがあり、トリヨードチロニンは、体の成長や発達を促進する働きがあります。

傍濾胞細胞は、カルシトニンを合成、分泌しています。カルシトニンは、血中のカルシウム濃度を調節する働きがあり、カルシウム濃度が高くなると、カルシトニンが分泌されてカルシウム濃度を下げます。

甲状腺の役割

甲状腺の役割

甲状腺は首の前面にある小さな臓器で、体内でホルモンを産生しています。甲状腺ホルモンは、新陳代謝、成長、発育、生殖、気分など、さまざまな体の機能を調節するのに役立っています。甲状腺ホルモンは、基礎代謝量を上げたり、成長を促進したり、心臓の拍動を調整したり、生殖機能をコントロールしたりするなど、さまざまな役割を果たしています。また、甲状腺ホルモンは、脳の発育や、神経系の機能にも影響を与えるなど、重要な役割を担っています。

甲状腺ホルモンが不足すると、新陳代謝が低下し、疲れやすく、太りやすくなるなどの症状が現れます。また、甲状腺ホルモンが多すぎると、新陳代謝が亢進し、イライラしたり、痩せてきたり、不眠症になったりするなどの症状が現れます。

甲状腺の病気

甲状腺の病気には、甲状腺機能低下症、甲状腺機能亢進症、甲状腺腫瘍などがあります。甲状腺機能低下症は、甲状腺ホルモンが不足する病気で、疲れやすさ、体重増加、むくみ、便秘などの症状が現れます。甲状腺機能亢進症は、甲状腺ホルモンが多すぎる病気で、イライラ、体重減少、不眠症、動悸などの症状が現れます。甲状腺腫瘍は、甲状腺にできる腫瘍で、良性と悪性があります。

甲状腺の検査

甲状腺の病気を診断するためには、甲状腺ホルモンの検査、甲状腺の超音波検査、甲状腺シンチグラフィーなどの検査を行います。甲状腺ホルモンの検査では、血液や尿中の甲状腺ホルモンの量を測定します。甲状腺の超音波検査では、甲状腺の形や大きさ、内部の状態を画像で観察します。甲状腺シンチグラフィーでは、甲状腺に放射性物質を注射して、甲状腺の機能を画像で観察します。

甲状腺の治療

甲状腺の病気の治療には、薬物療法、手術、放射線療法などがあります。薬物療法では、甲状腺ホルモンの分泌を抑制したり、逆に増やしたりする薬を使用します。手術は、甲状腺腫瘍を切除したり、甲状腺の一部を切除したりする手術を行います。放射線療法は、甲状腺腫瘍に放射線を照射して、腫瘍を小さくしたり、消失させたりする治療法です。

甲状腺に起こる病気

– 甲状腺に起こる病気

甲状腺は、首の前面にある小さな臓器です。甲状腺ホルモンを生成しており、体の新陳代謝や成長、発達に重要な役割を果たしています。甲状腺に起こる病気には、以下のものがあります。

* -橋本病- 甲状腺の炎症により、甲状腺ホルモンが十分に作られなくなる病気です。女性に多く、30～50代の働き盛りの年齢で発症することが多いです。
* -バセドウ病- 甲状腺が過剰に働き、甲状腺ホルモンが過剰に分泌される病気です。女性に多く、20～40代の若い年齢で発症することが多いです。
* -甲状腺腫- 甲状腺が腫大する病気です。良性と悪性がありますが、悪性の場合は甲状腺がんと呼ばれます。
* -甲状腺がん- 甲状腺の細胞ががん化して増殖する病気です。甲状腺がんは、比較的治りやすいがんですが、進行すると命に関わることもあります。

これらの病気は、いずれも甲状腺ホルモンの分泌量に異常をきたすため、新陳代謝や成長、発達に様々な影響を及ぼします。甲状腺に異常を感じたら、早めに病院を受診し、適切な治療を受けることが大切です。

甲状腺の病気を予防するためのヒント

甲状腺の病気を予防するためのヒント

甲状腺の病気を予防するための最良の方法は、健康的な生活を送ることです。これには、以下のことが含まれます。

* バランスの取れた食事をすること。
甲状腺の健康にとって重要な栄養素には、ヨウ素、セレン、ビタミンD、亜鉛が含まれます。これらの栄養素は、魚介類、鶏肉、赤身の肉、卵、豆類、野菜、果物に多く含まれています。

* 適度な運動をすること。
運動は、甲状腺の健康を改善し、肥満を予防するのに役立ちます。肥満は、甲状腺機能低下症のリスクを高める可能性があります。

* 禁煙すること。
喫煙は、甲状腺の健康に悪影響を与える可能性があります。喫煙者は、非喫煙者よりも甲状腺機能低下症になるリスクが高いことがわかっています。

* ストレスを管理すること。
ストレスは、甲状腺の健康に悪影響を与える可能性があります。ストレスを感じると、甲状腺ホルモンの分泌が増加することがあります。これは、動悸や発汗、不眠などの症状を引き起こす可能性があります。

* 定期的に検診を受けること。
甲状腺の病気を早期に発見するためには、定期的に検診を受けることが大切です。検診では、甲状腺ホルモンの検査が行われます。甲状腺ホルモンの値が異常な場合は、さらなる検査が必要になるかもしれません。

介護者が甲状腺の問題に気づいた場合の対処法

介護者が甲状腺の問題に気づいた場合の対処法

介護者が被介護者に甲状腺の問題の兆候を発見した場合、すぐに医師に相談することが重要です。甲状腺の問題は、適切な治療を受けなければ、様々な健康問題を引き起こす可能性があります。医師は、症状に応じて、血液検査や画像検査などを行い、甲状腺の問題を診断します。診断が確定したら、医師は、薬物療法や外科手術など、適切な治療法を決定します。

介護者は、甲状腺の問題の治療中に、被介護者の健康状態を注意深く観察し、医師に報告することが大切です。また、被介護者が薬を正しく服用しているかどうかも確認する必要があります。甲状腺の問題は、適切な治療を受ければ、症状をコントロールし、健康維持を図ることが可能です。