認知症における周辺症状とは

介護の初心者
周辺症状というのは、認知症の主な症状に加えて現れる追加的な症状のことだと聞きました。具体的にはどんな症状があるのでしょうか?

介護スペシャリスト
周辺症状には、妄想による徘徊や幻覚、時間や場所の認識の喪失、暴力、介護の拒否、失禁などが含まれます。

介護の初心者
妄想による徘徊は、認知症の方がどのような妄想を抱いているときに発生することがあるのでしょうか?

介護スペシャリスト
妄想による徘徊は、認知症の方が自宅や家族が危険にさらされていると信じたり、自分の所在がわからなくなって迷子になることがある場合に起こります。
周辺症状とは。
周辺症状は、認知症の核症状に加え発生する補足的な症状を指します。認知症の核症状には、記憶障害、注意障害、遂行機能障害が含まれます。周辺症状は、核症状によって引き起こされることや、性格や環境の影響で二次的に現れる精神症状や行動障害を含みます。具体的には、妄想による徘徊や幻覚、時間や場所の感覚喪失、暴力、介護拒否、失禁などがあります。周辺症状はBPSD(behavioral and psychological symptoms of dementia)とも呼ばれます。
周辺症状とは

認知症における周辺症状は、認知機能の低下以外でよく見られる症状です。 例えば、不眠、食欲不振、徘徊、幻覚、妄想、抑うつ、不安、攻撃性などが挙げられます。これらの症状は認知症の進行に伴って現れるだけでなく、初期段階から見られることもあります。周辺症状は、認知症の人の生活の質を低下させ、介護者の負担を増やす要因ともなります。また、これらは認知症の診断や治療を妨げることがあります。
周辺症状は脳の変性によって引き起こされると考えられています。この変性により認知機能が低下し、周辺症状が現れます。周辺症状の程度は認知症の進行度合いにより異なり、進行するにつれてその強さや数が増加します。
周辺症状は薬物療法や非薬物療法で治療可能です。薬物療法には抗精神病薬や抗うつ薬が用いられ、非薬物療法では認知症ケア、介護者の支援、環境調整などが行われます。周辺症状は早期に発見し治療を始めることが重要です。早期治療により、症状を軽減し、認知症の人の生活の質を向上させることが可能です。
周辺症状の種類

認知症における周辺症状の種類
周辺症状は認知症の進行に伴って徐々に現れ、さまざまな症状を指します。主なものには以下が含まれます。
・幻覚実際には存在しないものを感じる状態。視覚幻覚では、故人が目の前にいると訴えることがあります。
・せん妄意識の混濁により現実と夢や妄想の中間の状態になること。せん妄は薬の副作用や感染症、脱水症状などが原因になることがあります。
・妄想根拠のない信じ込みや疑念を抱くこと。例えば、家族が自分の財産を盗むつもりだと思い込むなどです。
・徘徊目的を持たず歩き回ること。徘徊は認知症の進行に伴い悪化する傾向があります。
・行動異常攻撃的な行動や奇声、物を壊すなど、社会的に好ましくない行動をとること。行動異常も進行に伴い悪化する傾向があります。
・睡眠障害不眠症や過眠症など、睡眠に異常をきたすこと。睡眠障害も進行に伴い悪化することが多いです。
・食欲不振食事を摂らないこと。食欲不振も進行に伴い悪化することが一般的です。
・排泄障害排尿や排便に異常が生じること。排泄障害も進行に伴い悪化する傾向があります。
周辺症状の原因

認知症周辺症状とは、認知症の主要な症状である認知機能障害に加わる様々な症状を指します。周辺症状は、認知機能障害そのものや、認知症の病態、治療の副作用によって引き起こされることがあります。
周辺症状の原因としては、まず認知機能障害自体が挙げられます。例えば、記憶障害により物の場所がわからなくなったり、約束を忘れたりすることがあります。また、判断力や思考力の低下により、適切な判断ができなくなることもあります。
次に、認知症の病態が原因になることもあります。アルツハイマー病の場合、神経細胞の死滅が認知機能障害や周辺症状を引き起こします。一方、レビー小体型認知症では、脳幹の神経細胞の変性が運動障害や自律神経障害を引き起こすことがあります。
最後に、認知症治療の副作用も原因の一つです。抗精神病薬の中には、運動障害を引き起こす可能性があるものがあります。また、抗コリン薬には口の渇きや便秘を引き起こす可能性のあるものがあります。
周辺症状への対応

認知症患者は、記憶障害や思考力の低下といった核症状に加え、さまざまな行動や心理的な問題を引き起こすことがあります。これらの周辺症状は患者の生活に大きな影響を及ぼし、介護者にとっても大きな負担となります。
周辺症状への対策としては、認知症の進行を遅らせるための治療が重要です。薬物療法、リハビリテーション、生活習慣の見直しなど、様々なアプローチがあります。また、周辺症状を軽減するための対症療法も実施されます。抗うつ薬や抗精神病薬などの薬物療法、音楽療法やアロマセラピーなどの非薬物療法が含まれます。
さらに、周辺症状への対応には、介護者の理解とサポートが不可欠です。介護者は、認知症患者の周辺症状を正しく理解し、適切に対応することが求められます。また、介護者自身もストレスや疲労をためないように、休息を取ったり他の介護者と協力したりすることが重要です。
周辺症状と介護

認知症の周辺症状には、介護の現場でさまざまな困難を伴うものがあります。 例えば、徘徊は認知症患者の約半数が経験する周辺症状であり、介護者は常に患者の所在を確認する必要があるため、負担が大きくなります。また、幻覚や妄想も介護者を精神的に疲れさせる可能性があります。
認知症の周辺症状に対しては、適切な対応が求められます。治療には薬物療法や非薬物療法が含まれ、抗認知症薬や抗精神病薬が用いられます。非薬物療法では、生活環境の調整やリハビリテーションが行われます。
周辺症状を軽減するためには、介護者と医療機関との連携が重要です。介護者は患者の症状について医師に報告し、医師は適切な対応方法を指導します。介護者と医療機関が協力することで、患者の症状を軽減し、介護者の負担も軽減することができます。
