被介護者の健康維持　～便秘と排便ケア～

被介護者の健康維持　～便秘と排便ケア～

便秘の原因と予防

便秘の原因と予防

便秘とは、便が硬く、排便が困難な状態を指します。高齢者では、加齢に伴う身体機能の低下や、薬の副作用、運動不足、食事の偏りなどが原因で、便秘になりやすくなります。

便秘を予防するためには、以下の点に注意することが重要です。

* 食物繊維を多く含む食品を摂取する。食物繊維は、便を柔らかくし、排便を促す働きがあります。野菜、果物、豆類、玄米などに多く含まれています。
* 水分を十分に摂取する。水分を十分に摂取することで、便が硬くなるのを防ぐことができます。1日に1.5～2リットルの水分を摂取するようにしましょう。
* 適度な運動をする。運動をすることで、腸の蠕動運動が促され、排便を促すことができます。ウォーキングや水泳などの有酸素運動がおすすめです。
* 排便習慣をつける。毎日決まった時間に排便する習慣をつけることで、腸が排便の準備をすることができます。朝起きた時や朝食後など、排便しやすい時間帯に排便するようにしましょう。

便秘が続く場合は、医師に相談しましょう。

便秘の症状

便秘の症状

便秘とは、排便回数が週に3回未満、または排便が困難な状態のことを言います。 便秘になると、便が腸内に長く留まり、水分が吸収されて硬くなり、排便がさらに困難になります。便秘の症状には、排便回数が少ない、排便が困難、便が硬い、腹痛、腹部膨満感、食欲不振、吐き気、倦怠感などがあります。便秘が続くことで、痔や肛門裂傷、憩室炎などの合併症を引き起こすこともあります。便秘の症状が続く場合は、医師に相談することが大切です。便秘を予防するためには、食生活に気を付け、食物繊維を多く摂ることが大切です。また、水分を十分に摂り、適度な運動を心がけることも大切です。

便秘の悪循環

便秘の悪循環とは、便秘が続くと便が硬くなり、さらに排便しにくくなるという状態のことです。便秘になると便が腸内に長く留まり、水分が吸収されて便が硬くなります。硬くなった便は排便しにくくなり、さらに便秘が悪化するという悪循環に陥ってしまいます。便秘が続くと、便の硬さに加えて、大腸の働きが低下して便を押し出す力が弱くなり、ますます排便しにくくなります。

便秘の悪循環を断ち切るためには、水分を十分に摂取し、食物繊維を多く含む食品を積極的に摂り、適度な運動を行うなどの生活習慣を見直すことが大切です。また、排便を我慢せずに、便意を感じたらすぐにトイレに行くことも大切です。便秘がひどい場合は、医療機関を受診して薬物療法や浣腸などの治療を受けることも検討しましょう。

排便ケアのポイント

排便ケアのポイント

排便ケアの重要なポイントは、排便のタイミングを逃さないことです。 便意を感じたらすぐにトイレに行くようにしましょう。また、排便を促すために、朝食前にコップ1杯の水を飲んだり、適度な運動をしたりすることも効果的です。

排便の姿勢も重要です。 腰かけたときに肛門に負担がかからないように、膝を軽く曲げて腰を少し前に傾けるようにしましょう。また、足元には踏み台を置いて、足をしっかりと地面につけるようにすると、排便がスムーズになります。

排便ケアを行う際には、排泄物をきれいに洗浄することが大切です。 洗浄の際には、刺激の少ない石鹸や洗浄剤を使用し、肛門を傷つけないように注意しましょう。
また、洗浄後は排泄物をきれいに拭き取り、清潔な肌を保つようにしましょう。

下剤の使用について

下剤の使用について

便秘は、排便回数や排便量が減少したり、便が硬くなったりして、排便に困難を伴う状態をいいます。介護される方の便秘は、さまざまな要因が絡み合って起こるケースが多く、単に食物繊維を多く摂取したり、水分を十分にとるといった対策だけでは改善しないこともあります。

下剤は、便秘を解消するために使用される薬ですが、使用には注意が必要です。下剤の種類によっては、腹痛や下痢、脱水症状などの副作用を引き起こすことがあります。また、下剤を長期間使用すると、腸の機能が低下して、便秘がさらに悪化することもあります。

介護される方に便秘がある場合、まずは、食事や排便習慣を見直すなど、生活習慣の改善を心がけましょう。それでも便秘が改善しない場合は、医師や薬剤師に相談して、適切な下剤を処方してもらいましょう。